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アイテム
促成養殖コンブの生長過程に関する研究
https://fra.repo.nii.ac.jp/records/2001748
https://fra.repo.nii.ac.jp/records/20017488b38d88d-4a63-454a-baa1-9dfeff6aa53b
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-04-08 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 促成養殖コンブの生長過程に関する研究 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Studies of the growth of forced Laminaria | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | eng | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||||||||
著者 |
三本菅, 善昭
× 三本菅, 善昭
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | The growth of forced cultivation Laminaria plants was roughly divisible into two phases. One was the "Enlargement phase" and the other "Substantialization phase". Based on the results of the present study, better culture procedures of forced cultivation of Laminaria were proposed. First of all, plants should be grown efficiently in the enlargement phase. The growth in this phase was somewhat proportional to the concentration of nitrate available in the sea, consequently, selection of the cultivation field was most important. A second important management was to outplant at early date. this procedure also improved the substantiality of the plants. Selection of mother plants was the third important factor to improve the quality of forced Laminaria plants. Chemical composition of the forced Laminaria plants cultivated by using these maricultural procedures were close to the natural-plants. | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | 我が国の主要な食用海藻であるコンブは、その大部分が北海道で収穫され、この地域の特産物として沿岸漁家経営に大きく貢献してきた。したがって、コンプの生産安定と増産を図るため養殖の技術開発が行われたが、ノリ、ワカメ養殖のように大きな発展をみるにいたらなかった。その主な要因として、マコンブなど良質なコンブは収穫まで約2年という長期間の海中養成を必要とし、これが栽培管理を困難にし経済的効果を低下させていることがあげろれ、コンプ養殖を大きく発展させるため養成期間を短縮することが重要な課題となった。この様な背景で北海道区水産研究所は“コンプの促成養殖法”と命名する1年の養成で収穫可能なコンブを生産する手法を開発した。この新しい養殖法を普及し目標を達成するためには、コンプの生長過程を把握し、栽培条件を解明して一層の品質改善と合理的な栽培管理を確立する必要がある。本論文は、このような目的で促成養殖コンブの生物学的、生理学的並びに生化学的研究を行い、それらの結果をとりまとめた。本論文において、まず良質のマコンブの生産地である渡島管内南茅部町沖で促成養殖したマコンブの生長にともなう形態の変化及び蛋白質、セルロース、アルギン酸並びにマンニットなど主要な化学成分の季節的消長を調べ、収穫までの生長過程を2段階に大きく分けた。前半は葉長、葉幅、葉面積などの増大が盛んな拡大生長期であり、後半は葉体は減少するが乾物歩留及び単位面積当たりの乾重量が著しく増加する身入生長期である。拡大生長期は冬から春にかけての富栄養、低水温の時期がこれにあたり、硝酸態窒素の吸収及び蛋白質の生成など窒素代謝が活発なのが特徴である。いっぱう、身入生長期は、晩春から夏にかけて水温が上昇し海水中の栄養が消失する時期にあたり、貯蔵性の炭水化物であるマンニットの生成と蓄積が盛んなのが特徴である。これは拡大長期で十分に拡大した葉体による活発な光合成が基盤となっていると考えられ、また、拡大生長期から身入長期への移行には外囲条件として海水中の栄養塩の消失が関与していると推察された。すなわちC:N比は、拡大生長が続く問は低くほぼ一定であり、窒素の吸収は炭素の同化と同様に活発であるが、身入生長期ではC:N比が急速に増大し、炭素の同化のみが活発であることもこれを裏づけている。なお、細胞壁物質であるセルロース及びアルギン酸の含有量は生長期により大きな変動を示さなかった。次に栽培条件の生長への影響を調べるため、促成養殖の手法を用いて以下の実験を行った。(1)後志管内余市町沖と渡島管内南茅部町沖でマコンブの養成し、結果を比較する。(2)余市町沖においてマコンブの種苗を10月中旬、11月中旬及び12月下旬の3回に分けて移植して養成し、それらの差異を検討する。(3)余市町沖において水深別にマコンブの種苗を移植して養成し、水深による生長の差異を明りかにする。(4)余市町沖に設置した同一養成施設にて、マコンブ、リシリコンブ及びホソメコンブを育成し、母藻による差異を明らかにする。これらの結果、(1)余市町沖と南茅部町沖でそれぞれ養成したマコンプの収穫時の化学分は両者の間に大きな差異はなかった。しかし、余市町沖で養成したコンブの葉長、葉幅、葉面積、葉重量などは南茅部町沖のものに比べ著しく劣っており、両試験地の水温·硝酸態窒素濃度などの比較から、コンブに対する硝酸態窒素濃度の差異が拡大生長に大きく影することを明らかにした。また、余市町沖で養成したものは、南茅部町のものに比べ、約1月早く拡大生長期から身入生長期に移行したが、このことは、余市町沖における硝酸態窒素の消失が南茅部町沖より早いことが主な原因と考えられ、先に述べた拡大生長期から身入生長期への移行に海水中の硝酸態窒素の消失が関係していることが確認された。(2)早期に海中養成を開始したものは、葉体が大きく身入も良好であり、移植時期がコンプの品質に大きく影響することを明らかにした。これは早期移植により速かに拡大した葉面全体が光合成と栄養吸収をより活発に行うため、その後の生長を一層促進することを示している。また、早期に移植したものは早く身入生長期に移行する傾向があり、このことはコンブの早期移植が品質の向上をともなうことを示した。(3)養成水深が増すにともないコンブの生長は低下する傾向がみられ、光エネルギー量がコンブの拡大生長に大きく影響することが示された。また、養成水深が5M以深のコンプは硝酸態窒素濃度が消失し水温が上昇する5月に全て流失した。これは、余市町沖が透明度の高い海域であることから、コンブの生長には単に光エネルギー量が関係するのでなく、海水の流動など他の要因もまた、影響していることが示唆された。(4)マコンブ、ホソメコンプ及びリシリコンブの主な分布域は異なっており、形態もマコンプは葉長、葉幅、葉厚が大きく、ホソメコンブは小型であることが知られている。移植実験でこれら各コンプの特徴が確認された。また、移植後1年以上を経過した12月、天然では2年生であるマコンプ並びにリシリコンブは再生現象を示したが、天然で1年生であるホソメコンブは全く再生することなく翌春には全て流失した。このことは、これら3者には遺伝的な差異があることを示した。次いで、促成養殖したマコンブの品質を評価するため、南茅部町沖に生育する天然マコンブを採取して形態及び化学成分を調べ同町沖で養成したマコンブと比較した。その結果、促成コンブは天然2年コンプに比べ葉長、葉幅、重量などはいずれも著しく高い値を示したが、厚さの指標である単位面積当たりの生重量並び単位面積当たりの乾重量はいずれも低い値を示した。しかし、促成養殖コンブの単位面積当たりの生重量、乾重量はともに、天然1年コンプに比べ1.5倍以上高い値であった。なお、促成養殖コンプの主要な化学的成分はアルギン酸を除き天然2年コンブと有意差は認められず、両者は極めて類似していることが確認された。最後に本研究で得られた結果を総合して促成コンプ養殖の基本的な栽培管理法を示した。 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
書誌情報 |
ja : 北海道区水産研究所研究報告 en : Bulletin of the Hokkaido Regional Fisheries Research Laboratory 巻 49, p. 1-78, ページ数 78, 発行日 1984-08 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 北海道区水産研究所 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
出版者 | ||||||||||||
出版者 | Hokkaido Regional Fisheries Research Laboratory | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子タイプ | PISSN | |||||||||||
収録物識別子 | 0513-2541 | |||||||||||
書誌レコードID | ||||||||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||||||||
収録物識別子 | AN00124758 | |||||||||||
情報源 | ||||||||||||
識別子タイプ | Local | |||||||||||
関連識別子 | hnf_k_49_1 | |||||||||||
関連サイト | ||||||||||||
識別子タイプ | URI | |||||||||||
関連識別子 | https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010302930 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
関連名称 | 日本農学文献記事索引(agriknowledge) |