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アイテム
北太平洋に分布するヨシキリザメの年齢と繁殖および回遊に関する生態学的研究
https://fra.repo.nii.ac.jp/records/2002205
https://fra.repo.nii.ac.jp/records/2002205be862404-c866-4e14-acb0-ff9e5954129c
| Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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| 公開日 | 2024-04-22 | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | 北太平洋に分布するヨシキリザメの年齢と繁殖および回遊に関する生態学的研究 | |||||||||||
| 言語 | ja | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | Age, reproduction and migration of blue shark in the North Pacific Ocean | |||||||||||
| 言語 | en | |||||||||||
| 言語 | ||||||||||||
| 言語 | eng | |||||||||||
| 資源タイプ | ||||||||||||
| 資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||||||
| 資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
| アクセス権 | ||||||||||||
| アクセス権 | metadata only access | |||||||||||
| アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||||||||
| 著者 |
中野, 秀樹
× 中野, 秀樹
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| 抄録 | ||||||||||||
| 内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
| 内容記述 | The life history of blue shark is discussed, including age, growth, reproduction and migration. Age and growth of blue shark embryos to adults were analyzed using length frequency data and vertebra samples. Using the values of modes from the length frequency distribution and calculated length from the rings of vertebrae, a von Bertalanffy growth curve was estimated for each sex. The measurements of reproductive organs were used for analyzing size at maturity and reproductive cycles of blue sharks. The males and females reach maturity at a body length of 130 to 160 cm and of 140 to 160 cm, respectively. The biology of blue shark pregnancy is described. The migration of blue sharks in the North Pacific is explained analyzing sex ratio in each area, distribution of each sex, and length class data from 29,161 blue sharks. Based on these observations, a schematic blue shark migration model was made in the North Pacific. | |||||||||||
| 言語 | en | |||||||||||
| 抄録 | ||||||||||||
| 内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
| 内容記述 | 1.ヨシキリザメの分布 (1)20°~60°N、135°E~125°Wの北太平洋中·高緯度海域において、さけ·ます調査用流し網、大目流し網、サメ延縄を使用して行なわれた調査資料および20°N~20°S、130°E~135°Wの低緯度海域でマグロ延縄を使用して行われた調査資料から、ヨシキリザメの分布を検討した。(2)各調査のCPUEの解析から相対豊度の高い海域およびその季節変化を検討した結果、ヨシキリザメの相対豊度の高い海域は35°~45°Nにあり、季節的に南北移動している。(3)さけ·ます調査用流し網および大目流し網を用いた調査では、ヨシキリザメの漁獲水深は表層~約10mであり、サメ延縄を用いた調査の漁獲水温は40~100mである。サメ延縄調査では、さけ·ますおよび大目流し網調査でCPUEの高かった海域の南側で高いCPUE が観察された。さけ·ますおよび大目流し網の調査では表面水温14~18℃でCPUEが高く、サメ延縄調査では50m層および100m層の水温、それぞれ11~23℃、11~19℃の範囲でCPUEが高かった。このことから、ヨシキリザメは表層水温の高い南側の調査海域では、生息水深を変えて北側と同様な水温帯に留ると考えられた。2.年齢と成長 (1)母体ごとの胎児平均体長と、体長70cm未満の若齢魚の体長組成を月別に求め、妊娠期間を1年、胎児出生体長を36cm、出生時期を4月1日と仮定した。(2)雌雄別、四半期別体長組成に正規曲線をあてはめて得られた各年級群のモードから、成長を推定した。雌雄とも4才魚までは四半期毎のモードの位置は連続的に増加したが、4才魚以降では各モードの位置は接近し、成長は明瞭に追えなかった。(3)次に、脊椎骨椎体にできる輪紋を年齢形質として年齢査定を行った。各輪群間における同じ輪紋の輪紋半径は非常に近く、また規則正しく増加した。輪紋形成時の計算体長を、各年級のモードを貫くように描いた曲線にあてはめると、3輪以降で雌では1~3月、雄では4~6輪が10~12月、3、7、8輪が1~3月に相当し、年1回の輪紋形成を示唆した。(4)以上の結果より、若齢魚では各年級のモードの移動から得られた成長量を、高齢魚では椎体輪紋の読取値から計算した成長量を用いて以下に示すヨシキリザメ雌雄の成長曲線を得た。雌:Lt=243.3(1 - e⁻⁰·¹⁴⁴⁽ᵗ⁻⁽⁻⁰·⁸⁴⁹⁾ ) 雄:Lt=289.7(1 - e⁻⁰·¹²⁹ ⁽ᵗ⁻⁽⁻⁰·⁸⁴⁹⁾) 3.成熟 (1)ヨシキリザメの体長-体重関係を以下に示す。両者の関係に雌雄間で有意差が検出され、雌の体重が相対的に雄より重かった。雌:BW(kg)=3.293×10⁻⁶ × BL³·²⁵⁵(cm) 雄:BW(kg)=5.388×10⁻⁶ × BL³·¹⁰²(cm) (2)雌では肝臓重量は体長100cmを越すと急に増重し、ばらつきが大きくなった。妊娠魚の肝臓重量は非妊娠魚に比べ相対的に軽かった。雄では体長160cm付近から肝臓重量のばらつきが著しくなった。雌雄体長階級10cm ごとのHSI値は、雌では体長の増加と共に増加し、体長150cmを過ぎると急激に減少し低い値で安定した。雄の HSI値は100cm以下では雌と同様な値を示すが、140~180cm にかけて減少し、以後徐々に増加した。(3)精巣の組織切片を作製し、精子形成過程を観察した。精子形成細胞は精巣間膜側と反対側の精細管膨大部で発達し、変態しながら精細管内を移動し、精巢間膜側で精子に変態する。雄の精巣について、精巢間膜側の部位を観察した結果、体長80cm以上の個体に精子が観察された。また、雄の性成熟体長を推定するために精巣重量、総生殖腺重量、交接器長、交接器の硬軟、精液の有無を調べた結果、雄は体長140~160cmで性成熟に達すると考えられた。(4)体長70cmと165cmの雄について、0.25mm以上の卵巣内卵径の頻度分布を調べた結果、体長70cmでは、0.25~8.25mm、165cmでは0.25~15.75mmの範囲で認められた。卵径の大きな卵の頻度は相対的に少なかった。体長70cmの個体について0.25mm以上の卵全数を計測した結果、総数936個であった。また、雌の性成熟体長を推定するために卵巣重量、総生殖腺重量、卵巣内最大卵径、卵殻腺の長さと幅、子宮幅、妊娠魚の体長頻度を調べた。その結果、雌も雄とほぼ同体長の140~160cmで性成熟に達すると考えられた。(5)雌雄のGSI値、TGSI値および精液が観察された雄の頻度、卵巣内最大卵径の季節変化から生殖周期を検討した結果、交尾期および排卵時期は夏季であると推定された。4.妊娠と出産 (1)一腹の胎児数は1~62尾の範囲にあり、平均25.6尾であった。一腹の胎児性比はほとんどの場合1対1である。母体の大きさと一腹当り胎児数の間に高い相関は認められなかった。採集月に対し胎児数の平均値は一定であった。胎児体長と胎児数の関係では体長35cm以上になると胎児数が減少する傾向が認められ、一部胎児が既に出産されていた可能性がある。(2)胎児は6~7月に最小体長1~2cmを記録し、翌年の5~6月にかけて30cm以上に成長した。月別の一腹の胎児平均体長は、北方の海域ほど大きい傾向があった。即ち、母体は胎内で胎児を成長させながら北上回遊し、30°~40'Nに至る海域で5~6月に胎児を出産すると考えられた。5. 回遊 (1)北太平洋中緯度海域における4年間の調査で、各月、各調査船ごとの性比を52標本について検討した結果、38標本で性比に有意な差が認められた。性比は、周年に亘る三陸沖合と、夏季を中心とした亜寒帯海域で雌が多く、亜寒帯境界以南の外洋域では雄が多かった。(2)雌雄とも体長50cm以下の個体は、亜寒帯境界の移行領域を中心とした35°~45°Nの海域に帯状に出現した。体長50~100cmでは、雌雄とも35°~45°Nを中心とした東西に帯状にのびる海域に出現するが、雌がやや北寄りに多い傾向があった。体長100~150cmでは、雌は35°~50°Nの亜寒帯境界の移行領域およびその北側海域、雄は30°~40°Nの移行領域とその南側海域に主に出現した。また、この体長から雌雄とも低緯度海域でも漁獲された。体長150cm以上では、雄は20°~40'Nの海域に多く出現し、雌は25°~35°N、150°E以西の海域に多かった。また雄は、北太平洋中央部の外洋域に相対豊度の高い海域があった。(3)夏季に亜寒帯境界周辺域で行った南北調査の結果からも、本種が性および成長段階により生息域を棲み分けていることが明らかとなった。出現した水温帯別に雌雄の体長組成をみると、大型個体ほど雌は低い水温帯に、雄は高い水温帯に出現する傾向があった。体長100cm以上の雌は20℃以上の高い水温帯にも出現した。(4)北太平洋に分布するヨシキリザメの生活史を考察し、その結果を要約すると以下のようになる。本種は春から初夏に30°~ 40°Nの海域で出産され、若齢魚は亜寒帯境界周辺海域を成育場とする。未成魚期に雌雄は生息域の分離傾向を強め、雌は35°~50°Nの移行領域とその北側海域に、雄は30°~40°N の移行領域とその南側海域を中心として生息域を定める。成魚は赤道域から40°N付近まで分布し、生息域を雌雄で棲み分けている。交尾期は夏季で20~30°N付近で交尾が行われる。妊娠雌は翌春から初夏にかけて北上し30°~40°N の海域を出産場としていると考えられた。 | |||||||||||
| 言語 | ja | |||||||||||
| 書誌情報 |
ja : 遠洋水産研究所研究報告 en : Bulletin, Far Seas Fisheries Research Laboratry 巻 31, p. 141-256, ページ数 116, 発行日 1994-03 |
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| 出版者 | ||||||||||||
| 出版者 | 遠洋水産研究所 | |||||||||||
| 言語 | ja | |||||||||||
| 出版者 | ||||||||||||
| 出版者 | Far Seas Fisheries Research Laboratry | |||||||||||
| 言語 | en | |||||||||||
| ISSN | ||||||||||||
| 収録物識別子タイプ | PISSN | |||||||||||
| 収録物識別子 | 0386-7285 | |||||||||||
| 書誌レコードID | ||||||||||||
| 収録物識別子タイプ | NCID | |||||||||||
| 収録物識別子 | AN00025949 | |||||||||||
| 情報源 | ||||||||||||
| 識別子タイプ | Local | |||||||||||
| 関連識別子 | enyo_k_31-141 | |||||||||||
| 関連サイト | ||||||||||||
| 識別子タイプ | URI | |||||||||||
| 関連識別子 | https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010500878 | |||||||||||
| 関連名称 | 日本農学文献記事索引 (AgriKnowledge) | |||||||||||